腹部エコー検査前の食事制限はなぜ必要?~正確な検査のため知っておきたいこと~

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腹部エコー検査前の食事制限はなぜ必要?~正確な検査のため知っておきたいこと~

腹部エコー(腹部超音波)検査は、肝臓・胆嚢・膵臓・腎臓・脾臓・腹部大動脈などを観察する検査です。被ばくがなく身体への負担も少ないことから、健康診断や日常の診療で広く行われています。

しかし、腹部エコー検査の精度は検査前の状態に大きく左右されます。そのため、多くの医療機関では検査前に一定時間の絶食をお願いしています。

当院では、午前検査の方は朝食を摂らずにご来院、午後検査の場合は朝食は軽めに済ませ、その後は絶食としていただいています。患者さんからは「なぜ食事をしてはいけないのですか?」という質問をいただくことがあります。今回は、腹部エコー検査前に食事制限が必要な理由についてご説明します。

胆嚢を正確に観察するため

最も重要な理由の一つが「胆嚢」の評価です。胆嚢は肝臓で作られた胆汁を貯める臓器です。食事(特に脂肪分)を摂ると、胆嚢は収縮して胆汁を十二指腸へ送り出します。

胆嚢が収縮した状態では内腔の観察が不十分となり、胆石や胆嚢ポリープなどの評価が困難になる場合があります。また、胆嚢壁の肥厚や不整の評価にも影響を及ぼします。

胆嚢病変を正確に観察するためには、胆汁が十分に貯留し、胆嚢が拡張した状態で検査を行うことが重要です。

消化管ガスによる描出不良を防ぐため

超音波検査では、超音波が体内を伝播し、その反射波を画像化しています。しかし、空気は超音波をほとんど伝えないため、胃や腸にガスが多く存在すると超音波が遮断され、臓器の描出が困難になります。

特に膵臓は胃や横行結腸の後方に位置しており、消化管ガスの影響を受けやすい臓器です。食事摂取後は消化活動に伴い、胃内容物や腸管ガスが増加するため、膵臓の一部または全体が十分に観察できなくなりことがあります。

膵疾患は初期段階では自覚症状に乏しいことも多く、良好な描出条件で検査を行うことが重要です。

水分摂取は可能?

一般的には少量の水または糖分を含まないお茶の摂取は可能とされています。

一方で、ジュースや牛乳、スポーツドリンクなどは消化管運動や胆嚢収縮に影響する可能性があるため避けていただきます。

 

喫煙やガムも控える理由

喫煙は胃腸運動や消化液分泌に影響を及ぼすことが知られています。

またガムを噛むことは実際に食事をしていなくても消化管を刺激し、胆嚢収縮を引き起こす可能性があります。そのため、多くの施設では絶食中の喫煙やガム、飴の摂取も制限しています。

正確な検査のために

腹部エコー検査では、わずか数ミリ単位の小さな病変も見逃さないよう、細心の注意を払って検査を行っています。

しかし、食事摂取による胆嚢収縮や消化管ガスの増加によって十分な観察ができない場合、本来得られるはずの情報が得られなくなる可能性があります。

私たち検査技師は、限られた検査時間のなかでできる限り正確な画像情報を提供できるように努めています。検査の精度向上のためにも、事前にご案内した絶食時間を守って受診していただけますと幸いです。

まとめ

腹部エコー検査前の食事制限は、胆嚢の十分な拡張を保ち、消化管ガスによる影響を最小限にすることで、良好な画像描出と検査精度の確保を目的として行われます。

正確な診断に有用な情報を得るためには、検査前の準備が欠かせません。検査を円滑かつ正確に実施するため、事前の注意事項へのご理解とご協力をお願いいたします。

当院の取り組み

当院では、より質の高い超音波検査を提供するため、このたび超音波診断装置を更新いたしました。超音波診断装置は年々進歩しており、画質の向上や画像処理技術の発展によって、より詳細な観察が可能となっています。今後も検査機器の充実と技術向上に努め、皆さまに安心して検査を受けていただける環境づくりを行ってまいります。

もし体の不調がある方や検査を受けたい方は、クリニックへの受診や健康診断も検討してみてください。

恩田メディカルクリニックでは月~土曜日(土曜日の診療時間は9:00~13:00まで)に内科の診察を行なっています。
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